既存住宅の活用の時代、住宅を商品から地場産業へ

住宅はもともは地場の大工や左官屋や鳶職や経師屋
が地域の実績や信用で仕事を確保していたところですが、
戦後、人の移動も激しくなり昔からある地域コミュニティ
はなくなり、戦後すぐは住宅不足から、その後は
住宅建設を景気対策とする政策により、
大量の住宅供給が求められる時代となりました。

今までは大量の住宅供給が求められていた時代だった。

大量の住宅供給が求められることから、
住宅を工業製品化し
スケールメリットを生かそうとして、
大手ハウスメーカーが登場しました。

大手ハウスメーカーは徹底した合理化で
工場生産を行い
スケールメリットを生かし、
品質の安定した住宅を
より早くたくさん消費者に届けようとしました。

しかし、全国にある展示場や工場を
維持していくには常に目標となる
受注棟数を確保していかななければなりません。

そのためには目を引く商品開発や
新しいデザインを開発して新しい
モデルハウスを建設し、
CMを流さなければ巨大な組織を
維持していけません。

結局スケールメリットを生かした
住宅価格にはなっていません。

営業にかかる経費は結局
大手ハウスメーカーから
住宅を買うお客さんが負担していることになります。

これからは住宅を長く使うための職人と専門技術者が必要な時代。

今までは大手ハウスメーカーの登場により
展示場で売っている商品となっていました。

今や各地で住宅は余っている時代になりました。
元々住宅は地域の大工などの職人が
家を建ててそれで終わりというのではなく、
自分たちで建てた家に何か不具合が
起きた場合はすぐに駆けつけて
手当していました。

これからはスクラップ&ビルドで
住宅を造っては30年弱で壊して
また新たに造り直すという時代ではなくなりつつあります。

今後は、
その地域で家を長く使うことを前提に
地域で家を手当てする大工などの職人集団と
昔とは違いその地域で複雑な法規制や新たな技術に
対応できる建築の専門家も必要な時代だと思います。

新たに建てる住宅にしても、
30年弱で造り直す立て方とは
違う方法で建てなければなりません。