長く住む家と長く住みたくなる家

木造住宅の耐用年数が二十数年なので、

その期間にあわせて解体されて

新たな住宅を建て替える、ということを

よく耳にしますが、

本音のところはどうなのだろうか?

古い家を建て替える動機。

横浜市の栄区で昭和40年代に分譲された

住宅地の建て主の方から

住宅の建て替えの相談があり

伺ったときのこと。

 

そこはご夫婦と成人のお子様お二人がお住まいの

住宅でしたが

耐用年数も過ぎた古い建物なので地震に対して心配だし

基礎のコンクリートの悪かったらしく

ひび割れが出てきているし、

完成後すぐに雨漏りもして、

断熱の性能も悪いので、

建て替えたい

というご要望を旦那様から伺っていると

奥様が、うちだけ取り残されちゃって

以前から早く建て替えてくださいと

旦那様をせっついていたという。

 

帰り際、近隣の住宅を見てみると

確かに各ハウスメーカーで建てたであろう

住宅が並んでいる。

長く住みたくなる家を造りたい。

これからの新築住宅は

ただ長期優良住宅のような制度を利用しているから

とか、長持ちする建材を使っているからとか、

そういうこととは別に

古くなるほど価値(趣)が出る住宅を

考えたい。

建物全体がそういう考えで造ることが

理想だけれども

たとえローコストでも、

防火などの法規制が厳しい地域でも、

どっか一部でも、少しでもいいので、

長く住む家は、長く住みたくなる家にしたい。