バリアフリーリフォームについて

若い頃に新築住宅を建てる人にとっては
バリアフリーはまだ先のこと、

先々リフォームして
対応すればいいんじゃない。

と、思われる方も多いと思います。

でも、後からリフォームするのでは
大がかりな工事が必要となり、
バリアフリーリフォームするのを
あきらめてしまうことにもなるかもしれません。

最近では65歳以上の家庭内の事故で
亡くなる方が交通事故死亡者の3.5倍以上と
なっている状況です。

平成25年に厚生労働省が行った
人口動態統計で家庭内事故死
のうち火災や不慮の事故(40%)を除けば、
溺死と転倒、転落が主な原因となっています。
・風呂での溺死が36%
・転倒、転落が18%

風呂の溺死対策は
浴室内に手すりを設置すること。

中古住宅のフラット35融資でも
浴室に手すりを設けることにより
フラット35S(優良な住宅基準)の適用があり
金利が優遇されることになります。

フラット35Sの場合、
浴室のどの部分に手すりがついていても
OKですが、
溺死防止対策であれば
浴槽の近傍に取り付ける方が効果は高いと思います。

転倒、転落対策は、
段差の解消や手すりの設置、
階段の段数や踏み面と蹴上げの関係を考慮すること。

段差の解消や手すりの設置、階段の関係などは
特定の人(高齢者など)が利用する範囲を対象にした
ものか、それとも家全体かは
あらかじめ考えて置く方が良いですね、
特定の人が2階や3階を利用しない場合は
バリアフリー対策の対象は
1階のみということになるし、
2階、3階にのみ浴室がある場合などは
階段の関係もバリアフリー対策の範囲となります。

やっておきたいバリアフリー、 転倒・落下対策

1階のみ段差解消を行う場所
・玄関ドアの下(「くつづずり」と言う)の段差を
ポーチ(外)と玄関(中)から20mm以下にする。

・1階内部の普段頻繁に使う出入り口の高さを
フラットにするか5mm以下にする。

・玄関の上がりがまちの高さを180mm以下にする。

・浴室と洗面脱衣室との間は
フラットにするか5mm以下にする。

1階のみ手すり設置を行う場所
・玄関の上がりがまち部分。

・浴室の浴槽付近。

・便所。

2階以上にも転倒・落下対策をする場合は、
階段やバルコニー、階段など吹き抜けに
面した廊下の手すり高さ、床から窓下
までが低い窓の手すりなども考慮した方が良いです。

バリアフリーリフォームで
2階以上に転倒・落下対策をする場合、
難しいのは階段のバリアフリーリフォームです。

後から階段の登りを緩やかに変えたり
段の曲がりを少なくするなどを変更したいと
思った場合、緩くすることにより
段数が増えて階段の面積が大きくなり
間取りを変えなければならなくなりますし、
梁の位置などの構造の変更が必要となり
大がかりな工事となるか、
場合によっては工事ができないケースも出てきます。

そのほかの転倒・落下対策にも
手すりの設置高さや手すりの手すりの隙間の寸法、
など様々な決まりがあります。

また、転倒・落下対策以外の
バリアフリー対策で、
廊下の幅員や扉の出入りの有効開口、
便所の大きさや寝室の大きさなど
様々な対策があり今回のブログで
すべてご説明することはできません、
詳細に計画したい場合は
できるところとできないところも出てくる可能性が
あります。

特に2階以上をバリアフリーとする場合や
部屋や便所大きくしたりする場合は
リフォームが始まってからではなく
設計段階でどこまでバリアフリーとするのか、
またはできるのかをよく検討するように
してください。