実践ホームインスペクション(住宅診断)4

この建物は2004年7月に横浜市神奈川区で新築住宅診断
実施した木造2階建住宅。

・基礎と土台を緊結するアンカーボルトは、
土台(木材)と基礎の間に挟まれている床下を通気するための
材料である基礎パッキンを貫通していなければならないが、
アンカーボルトが基礎パッキンの内部に挿入されていない

基礎パッキンにアンカーボルトが挿入されていないことにより、
激しい地震が起きた場合、土台と基礎に挟まれている基礎パッキンが
ずれてしまい建物が傾く恐れがある。

・1階の床断熱材が落下している

当然、落下していては断熱性能は発揮できない、
この建物は14年前の新築住宅だが、
最近の住宅でこのような床の断熱材の落下という
不具合がある住宅は減ってきてはいるが、
油断をしてはいけない。

・1階の床を支えている大引のプラ束のビスまたは釘と
基礎との固定用の接着剤が施工されていない

1階の床を支える大引やそれを支える束は構造上
重要な部分ではないが、地震時など木造部分が
横に激しく揺れた場合には
ビスや釘、接着剤が無いのでずれる可能性がある。

・土台のアンカーボルトが緩んでいる

アンカーボルトは木造の躯体と基礎を緊結する重要だ、
本来は床や壁でおおわれる前に締め直しを行うが、
締め直しを忘れていたのかもしれない。

最近はスクリュー状になったワッシャーを使用することが
多くなり、スクリュー状ワッシャーを使った場合は、
後でのゆるみが発生しにくくなっている。

・筋交いの補強金物のビスが指定以外のものを
使用している

筋交い金物はほとんどの建物で認定を受けた物を使用している。
指定されているビス以外は使用できない。