新聞コラム に思うこと「プロの倫理」と集団的に忘却されたもの

2017/11/17朝日新聞のコラムに
相次ぐ品質検査の不祥事 ルールの精神見つめなおせ という記事があった。

記事では最近の自動車会社の無資格検査や鉄鋼メーカーの検査データ改ざん、それに加え
2年前の免震ゴムの性能偽装、マンションの杭の施工データの改ざんなどを挙げ、

以下の記事はひとつの要因として
(「プロの倫理」が、現代の企業に継承されていない可能性などを指摘・・・・
単に規制や監視を強めるだけでなく、
目先の利益よりも自分の仕事に対する誇りを優先させる文化を醸成すること・・・
良い仕事をした「プロ」にたいしては、顧客である私たちが敬意を示すべきだ。)との意見だ。

「プロ」個人が所属している「目先の利益を追求する企業」とは別の「プロの倫理」が必要であり
それを顕彰する文化も必要だという意見に同意する。

私たちは「目先の利益を追求する企業」に所属している。
会社人としてその会社の方針に沿った行動を取ることは同然のことだが、理想は文化の醸成なのだ。
そのためには建築を依頼するときの基準として「プロの倫理」ということも考えてほしい。

自分が住宅を建築する場合に依頼したい相手は「目先の利益を追求するだけの企業」なのか、
その会社に所属するかまたはかかわる人たちが「プロの倫理」を大事にしている所なのか
見極める目も必要だ。
言わずもがなであるが、見せかけの「プロの倫理」が見え隠れする会社も有り、
依頼する会社は慎重に選びたい。

また別の要因として、
(近年の事件全体に共通して見られることとして、顧客が直接品質を確認することが困難な瑕疵(かし)が多い、
という特徴がある。例えばエンジンが動かなければ、誰もがおかしいと気づく。
しかし、昨今問題となっているのは、製品の製造方法や、品質管理上のごまかしであり、
不正を見抜くには高度の専門的な知識や技術が必要である。)

最後に、
(結局、物事を根本から理解しようとせず、表層を繕うことばかりにたけてしまった結果、
「ルールの趣旨」が集団的に忘却され、不祥事を招いたというのが、実態かもし
れない。まずは何が起きているのか、現実を直視するところから始めよう。)
というふうに締めている。

住宅トラブルの原因の多くは、記事の最後にある、
「ルールの趣旨」が集団的に忘却た場合のように思える。

忘却されたものは、本来はあなたの家を間違いなく造るようにチェックするべき人(企業では有りません)は誰であるか。
具体的にことを起こす前に集団(社会)が忘却した物を知る必要があると思う。
(月刊安心新聞)相次ぐ品質検査の不祥事 ルールの精神、見つめ直せ 神里達博