つくりたい家をつくるには-5

建物の将来像を思い描く、ソフトからもハードからも。
・10年後、20年後、家を使う家族の構成はどうなっているか想定してみる。
・造る家を子の代まで使ってもらいたい。
(設計して監理している立場からすればいつもそう思って設計・監理しているのですが)

戦後高度経済成長期から今までの住宅はスクラップ&ビルドを前提に造られてきたと言ってもいいと思います。

私の世代はすでに高度経済成長の頃に育った世代ですので工業製品にならされている世代です。
工業製品は安価な材料を使い均質な性質の物を大量に生産して利益を出す事を目的していると言ってもいいと思います。
最近は光触媒を利用して汚れが付きにくいものや、劣化しにくい物も出てきていますが、
工業製品は経年と共に美しさが失われていくものでしょう。

ですので、自宅の周辺で建替が進み新しい家に囲まれると自分の家がみすぼらしく感じてしまう。
どうしても建て替えたいという思いで、20年、30年での建替競争のような事になる。

それに対し、自然素材や自然に近い素材
は経年とともに趣や風格も感じられる物ですよね。
でも天然素材は癖(個性)があるものですよね、その癖(個性)が良いのですが、
やっぱり生活する家は工業製品の家でなく自然素材を使った家にしたい
と思われる方は多いと思います。

しかし、工業製品の没個性的で均質な性能に慣らされた私たちはどこまで
自然素材の個性を許容出来るのか。
木を使いたいでも反ったり、隙間が空いたり、ぎしぎしと音がするのはいやだ。

家は工業製品なのか手工業でつくられる工芸品に近い物なのか。

現状では法規制、建築費用などを勘案すると工業製品と手工業の中間的な製品かもしれません。

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